オイラの最近思うこと

地元企業の社長を支える陰の参謀。

資本金だけで判断している与信担当

数年前、わがブロックにも与信担当者というのがいた。

要はこの会社にモノをどれだけ供給していいかを判断する人である。

帝国データバンクとか商工リサーチからデータ提供してもらい、判断するらしい。

某社の決算内容は、過去3年間ギリギリ赤字。でも有利子負債が1億円ある。

零細企業に入るような会社が負債1億円である。歴史がある会社としても

大きいように思える。そこで、この1億円の根拠を知りたくなってしまった。

 

このギリギリ赤字のカラクリは非常に簡単で、陳列している商品価値を嵩増し

しているようで、どうも2代目になった時には既に存在していたそうだ。

経営者自身も、なぜ1億円もの負債を持っているのか知らないそうだ。

残念ながらお世辞にも陳列在庫は1億円どころか100万円にもなりそうにない。

 

さて話は戻るが、その与信担当者の判断基準が大胆だった。

資本金と負債だけで判断していたのである。我々営業担当者は極端な話、その会社の

社長の資産まで知っている場合がある。山を持っているだとか、クルマは高級車だとか

一流企業と取引があるとか・・・

机上論では確かに資本金と負債しか見えないかもしれないが、本当に大切なのはその

背景であり、昨年から今年に掛けて負債が増えているのなら、何か新たな事業

始めたのかもしれない。本当の与信担当者ならば参考程度に見に行って匂いを

回で来てほしい。

 

僕はある会社でリアルな財務諸表を見せてもらったことがある。

サラリーマンなので、当時は会社がノーと言えばノーだったので、仕方なく担保と

して数百万預けてもらったことも何度もある。しかし、この預けてもらうのを失敗

しなかったのは、実際に持っていたからである。(1社は株を預かることにした)

こうして考えると、現金としてどれだけ持っているかが社運を占う事になるという

のは皮肉である。そして、負債と資本金だけでの判断が甘いという事を知ることも

出来る。

 

一方与信担当者もまたサラリーマンなのである。

回収できなければ責任を負うことになる。年金から返すことができない買掛金を

払った高齢経営者もいる。絶対息子に継がせたくないという言葉が印象的で

あった。しかしながら、この判断は正しいだろう。経営者は本当に難しい。

営業担当として求められるスキルが上がってきていると感じさせられる。これは

経営者が判断を迷っているためだと思っている。

 

こんな20代の若造に言われて店を閉めることは今のところないが、買えてる売り場

づくりに勤しみ始めたおじいちゃん経営者もまたいる。この人は儲かり始めたのだから

不思議なものである。100円ショップを目の敵にしながら生きて行くのか、100円

ショップに勝てる売り場づくりをするのか。

この差が大きいと思う。安ければいいのではない。高いなら高いなりの付加価値を求め

られると言う事をもう一度言っておきたい。それが出来ている人は多く売っても

回収は可能である。売り先を間違っていないし、そんな危ない賭けを僕は好まない

から。